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お釈迦様の呼吸法

 「アーナパーナサチ」という仏教経典があります。パーリ語のこの経典を日本語にすると、「吸う息と吐く息の気づき」となります。お釈迦様が、意志を込めて呼吸をすることで、宇宙の真理、生命の本質を自覚された体験を弟子たちに教えたものです。
 身体、感覚、心、生き方とのつながりを注意深く観察しながら、吸う息は区域から意識を離さずに行うものです。それによって、宇宙の真実、生命の本質、自己とのつながりを体感しようyとするのです。
 丹田呼吸は下腹部の内圧を伴う呼吸ですが、それはとりもなおさず、吸う息吐く息に意志を込めたときに生ずるものです。すなわち丹田呼吸は、アナパーナサチが形にあらわれた呼吸ということなのです。

腹の人を目指す

 藤田霊斎師に次の道歌があります。

  智は頭脳 
  情は心窩(みぞおち)
  意志は腹(丹田)
  この調和こそ真人の道


 「智」によって人類は優れた文明・文化を実現させました。しかし、「智」だけでは、人間の存在は深みも温かみもない、きわめて薄っぺらなものになります。
 自然の美しさに感動し、親子、夫婦、友人、仲間たちと温かい交流をするといった人間のぬくもりをかもし出す「情」は、みぞおち(太陽神経叢)から生じると霊斎師は考えています。
 そのうえで、情に流されないように、腹(丹田)の充実を図って、強い意志を持たなければなりません。
 腹の充実こそ、智・情・意のバランスをもたらす要(かなめ)です。藤田霊斎師は、この「意」を生み出す腹の力を重視しました。

 頭で「智」を、みぞおちで「情」を創り出し、それを腹(丹田)の「意」で束ねてバランスを調えることで、人本来の能力を発揮し、宇宙の秩序にかなった真の人になる。このような「智・情・意」のバランスを保つ腹は、みぞおちが柔凹で丹田が豊に充実しています。
 ストレスに負けて身心を損ねる人の多い現在、腹の人を目指して丹田呼吸を実践して頂きたいと思います。

与えることは生きること

 5年前、「国際ヨーガフェスティバル」に出席するためのインドに行きました。それは、プージャ・スワミ・チダナンダ・サラスワティジ(略称:スワミジ)というグル(師)が主宰する道場(アシュラム)でした。
 そのアシュラムはリシュケシュという街にあって、ビートルズがヨーガの修行をしたことで有名になりました。
 その時、グルのスワミジから、次の言葉を学びました。

  与えることは生きることであり、
  生きることは学ぶこと、
  学ぶことは知ること、
  知ることは成長すること、
  成長することは与えること、
  与えることは生きることである。
  これが人生の真の循環である。


 人生をスムーズに循環させていくために、まず与えることから始まって、それが生きることでに、学ぶことに、成長することにつながっていくのだ、というメッセージに強い共感を覚えたものでした。そして、与える心の乏しかったわが人生を大いに反省したものでした。
 

呼吸を練る

 呼吸には心の状態がそのまま表れます。怒りの心は怒りの呼吸、恐れの心は恐れの呼吸、悲しみの心は悲しみの呼吸を生じさせます。
 心をコントロールすることの困難さに比べれば、呼吸をコントロールする方がずっと容易です。ですから、静かな心を養うには、静かな呼吸を身につけることです。
 坐禅の教科書の古典である「天台小止観」には、呼吸の在り方について「風・喘・気・息」の四つに分けて述べています。「風」を最下級の呼吸であるとし、順によくなって「息」が最高の呼吸であるとしています。いうなれば、「粗・細・微・妙」といったところです。「風」は肩が上下し、鼻息が聞こえるような粗っぽい呼吸です。少し細かくなって「喘」となり、より微細になって「気」になり、言うに言われぬ妙なる境地に至ると「息」になるということです。そして、粗から妙へと練り上げていくのが、丹田呼吸法の役割です。
 ゲーテは「自由に呼吸することは、人生を孤独にしない(『タウリス島のイフィゲーニエ』より)」と言っています。自由な呼吸が、心を生き生きとさせて、人生を孤独で寂しくさせないと言うのです。
  天地いっぱいに広がっていくような、伸びやかな深い呼吸が、ゲーテの言う「自由な呼吸」ということだと思います。そういう呼吸は、強迫観念、被害者意識、防衛機制などに束縛された不自由な人生から解放してくれます。

    

血の循環と宇宙の循環

調和道丹田呼吸法を創始した藤田霊斎師に次の道歌があります。

  純良な血をよく作りよくまわしコリを除くが健康のもと

 健康の基本は、
① 純良な血液を作ること
  純良な血液を作るためには、二酸化炭素を充分に吐き、酸素を豊富に吸い込むことです。、
② 血液をよく循環させること
  血液をよく循環させるためには、腹圧のかかった呼吸、即ち丹田呼吸によって、腹部にたまった静脈血を肺に向かって還    流させることです。
③ コリを除くこと
  ①と②が実現すれば、おのずからコリは除かれます。

 そして、純良な血はサラサラとして循環しやすくなり、循環がよくなることで血は純良になります。「流水は腐らず」のたとえどおり、純良な血がよく循環すればコリは生じません。血はいのちであり、コリはいのちの停滞です。コリこそ不健康になる元凶であるということです。

 こうして得た健康な体によって、宇宙は循環でありいのちは流れであるという宇宙観や生命観を得て、広く深くとらわれのない心を養い、孤立感による不安から解放されます。 
 自分と他はいのちでつながっている、宇宙ともひとつなのだという世界観を持つために、丹田呼吸法は大きなはたらきを発揮します。
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プロフィール

鈴木光彌

Author:鈴木光彌
1943年(昭和18)東京都葛飾区水元に生まれる
法政大学法学部卒
在学中は応援団に所属し、副団長を務めていたが、今も、人々に生きる勇気と喜びを鼓吹する応援団を任じている。、
昭和55年、公益社団法人調和道協会に入会し、丹田呼吸法を学ぶ
以来研鑚を重ね、現在養根塾を主宰して活動中
著書:「丹田湧気法入門」柏樹社(共著)、「丹田を創る呼吸法」BABジャパン、「丹田を創って『腹の人』になる」小学館、「藤田霊斎 丹田呼吸法」佼成出版社

【養根塾】
◇会場: 高輪アンナ会館
東京都港区高輪2-1-13
都営浅草線 泉岳寺駅A2口徒歩5分
◇日時:毎週火 1:00~3:00PM
◇会費:1000円/1回
自由ヶ丘教室 第2・4金 10:30AM
若葉教室 毎週金 6:00PMも併設
お問合せ 090-5405-4763 鈴木
Eメール
mitsuya@wf7.so-net.ne.jp

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