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呼吸と血流

 呼吸法の真髄である調和道丹田呼吸法を創始した藤田霊斎師は、多くの道歌を残しています。その一つに次の歌があります。

  純良な血をよく作りよくまわしこりを除くが健康のもと

 健康のための根本原則は、きれいで質の良い血液を造り、その血液をよく循環させてこりを取り除くことなのだ、というのです。
 単細胞生物ならば、体の表面からだけで体に必要なものの取入れと排出ができますが、人間のように60兆もの細胞が集まった組織になると、皮膚からだけでは全身の細胞が必要とするものの供給や排出は不可能です。
 そこで栄養素や酸素が豊富な純良な血を造ることが健康のために必要になります。そしてその血液を「よくまわし」てやらなくてはなりません。せっかくつくった純良な血も、全身に循環させなければ何もなりません。
 次に、「こりを除く」ことが大切になります。こりとは、老廃物を積んだ血液が停滞し、そこに老廃物が堆積した状態です。それはちょうど流れが悪いためにヘドロが固まっている河川のようなものです。

 「純良な血をつくる」「よくまわす」「こりを除く」ためには、丹田呼吸が必要であるこの道歌は主張しているわけです。
 純良な血液を造るためには、食べ物と共に呼吸が大切です。浅くて弱い呼吸では、十分に酸素の取り入れも二酸化炭素の排出も思うようにいきません。劣悪な呼吸は、純良とは程遠い、汚れた血を体内においておくことになってしまうわけです。

 血液の循環をよくするにも呼吸が大事です。特に丹田呼吸は、血液の循環を促進します。丹田呼吸は横隔膜が活発にはたらき強い腹圧を発生させますが、この腹圧が腹部の静脈血を心臓に向かって絞り上げるはたらきをするのです。
 腹部は空洞になために、汚れた血液がたまりやすい構造になっています。多くの人が、全体の半分以上の汚れた血を腹に長時間ためているといわれています。その汚れた血液を、丹田呼吸による腹圧が心臓に返すのです。 ですから、腹は第二の心臓であると、東大教授の細菌学の権威者で文化勲章を受章し、腹式呼吸の提唱者としても有名だった二木謙三博士は言っています。

 このように、「純良な血をつくる」「よくまわす」「こりを除く」という三つの作用は、丹田呼吸によって一気に片づいてしまいます。
純良な血は循環がよいく、逆ににごって汚い血は循環しにくくなります。逆によい循環は純良な血をつくります。「三寸流れて水清し」というわけです。そして、純良な血がよくまわれば、こりはおのずから除かれ、身心は根本から健康になるのです。 
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プロフィール

鈴木光彌

Author:鈴木光彌
1943年(昭和18)東京都葛飾区水元に生まれる
法政大学法学部卒
在学中は応援団に所属し、副団長を務めていたが、今も、人々に生きる勇気と喜びを鼓吹する応援団を任じている。、
昭和55年、公益社団法人調和道協会に入会し、丹田呼吸法を学ぶ
以来研鑚を重ね、現在養根塾を主宰して活動中
著書:「丹田湧気法入門」柏樹社(共著)、「丹田を創る呼吸法」BABジャパン、「丹田を創って『腹の人』になる」小学館、「藤田霊斎 丹田呼吸法」佼成出版社

【養根塾】
◇会場: 高輪アンナ会館
東京都港区高輪2-1-13
都営浅草線 泉岳寺駅A2口徒歩5分
◇日時:毎週火 1:00~3:00PM
◇会費:1000円/1回
自由ヶ丘教室 第2・4金 10:30AM
若葉教室 毎週金 6:00PMも併設
お問合せ 090-5405-4763 鈴木
Eメール
mitsuya@wf7.so-net.ne.jp

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