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惜福・分福・植福

 幸田露伴の『努力論』に、「惜福・分福・植福」という言葉が見えています。
 「惜福」とは、恵まれた幸運を、いい気になって浪費しないということです。
 惜副によって蓄積された福は、独り占めしないで多の人たちにも分けてあげること、それを「分福」というと露伴は言います。自分だけいい思いをするなというわけです。露伴流に言えば、「雪隠(トイレ)で饅頭を食うな」ということです。

 豊臣秀吉が、低い身分から天下人にまでなったのは、「文福」の精神が旺盛であったからだと露伴は言っています。確かに秀吉は惜しみなく、獲得した田地を家臣に分け与えているようです。
 「木守り」といって、柿の木などのてっぺんに、実を一つだけ残しておく風習が今でもあります。小鳥や虫へのおすそ分けといったところでしょうか。分福精神の表れとして、ゆかしい風習です。

 「植福」とは、日ごろから蓄えることを怠るなということです。以前やはり露伴の言葉として述べた、「間接の努力」を怠らないということです。

 実生活に取り組む中で修養を積んだ幸田露伴の言葉には、無駄のない、腹に落ちる真実の重みがあります。
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鈴木光彌

Author:鈴木光彌
1943年(昭和18)東京都葛飾区水元に生まれる
法政大学法学部卒
在学中は応援団に所属し、副団長を務めていたが、今も、人々に生きる勇気と喜びを鼓吹する応援団を任じている。、
昭和55年、公益社団法人調和道協会に入会し、丹田呼吸法を学ぶ
以来研鑚を重ね、現在養根塾を主宰して活動中
著書:「丹田湧気法入門」柏樹社(共著)、「丹田を創る呼吸法」BABジャパン、「丹田を創って『腹の人』になる」小学館、「藤田霊斎 丹田呼吸法」佼成出版社

【養根塾】
◇会場: 高輪アンナ会館
東京都港区高輪2-1-13
都営浅草線 泉岳寺駅A2口徒歩5分
◇日時:毎週火 1:00~3:00PM
◇会費:1000円/1回
自由ヶ丘教室 第2・4金 10:30AM
若葉教室 毎週金 6:00PMも併設
お問合せ 090-5405-4763 鈴木
Eメール
mitsuya@wf7.so-net.ne.jp

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