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EASY COME, EASY GO

 かつて、合気道仲間のアメリカ人青年から、“easy come, easy go”ということわざを聞きました。直訳すれば「容易に来るものは、容易に行ってしまう」といったところでしょうか。宮本武蔵の、「千日の鍛、万日の錬」を思い出させる言葉です。

 宮本武蔵は、剣術家としてだけではなく、絵画、彫金などの芸術家としても高い評価を得ています。文章もなかなかのもので、武蔵野書いた『五輪書』は、有益な金言に富んだ名著です。
 「千日の鍛、万日の錬」は、その『五輪書』にある言葉で、鍛には千日、つまり約三年を要し、錬には万日、約三十年を要するということです。同書には「朝鍛夕錬(ちょうたんせきれん)」という言葉もあります。「鍛」とは肉体面の向上を図ることであり、「錬」とは精神面の向上を図ることではないかと思います。

 禅でも気功でも、調身・調息・調心を実修の基本として挙げています。調息が調身と調心の中間にあることは意味があります。息を調えることが、身体と心をつなげる役割を果たしているということです。
  「身心一如」という言葉があるとおり、身体と心は別のものではありません。私たちが持てる能力を十分にはたらかせるには、身体と心を統一しなければなりません。そのために、息によって身と心を統一させるのです。息(呼吸)にはそういう力があるのです。
 対立からは生み出されるものは、憎しみや闘争です。息の有する融合力は、対立を解消し、争いを避け、融和をもたらすはたらきがあります。
 この呼吸を身に付けるうえで、性急に功を焦ると“easy come, easy go”になってしまいます。ここは是非、「千日の鍛、万日の錬」の精神で、じっくりと取り組む必要があります。
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鈴木光彌

Author:鈴木光彌
1943年(昭和18)東京都葛飾区水元に生まれる
法政大学法学部卒
在学中は応援団に所属し、副団長を務めていたが、今も、人々に生きる勇気と喜びを鼓吹する応援団を任じている。、
昭和55年、公益社団法人調和道協会に入会し、丹田呼吸法を学ぶ
以来研鑚を重ね、現在養根塾を主宰して活動中
著書:「丹田湧気法入門」柏樹社(共著)、「丹田を創る呼吸法」BABジャパン、「丹田を創って『腹の人』になる」小学館、「藤田霊斎 丹田呼吸法」佼成出版社

【養根塾】
◇会場: 高輪アンナ会館
東京都港区高輪2-1-13
都営浅草線 泉岳寺駅A2口徒歩5分
◇日時:毎週火 1:00~3:00PM
◇会費:1000円/1回
自由ヶ丘教室 第2・4金 10:30AM
若葉教室 毎週金 6:00PMも併設
お問合せ 090-5405-4763 鈴木
Eメール
mitsuya@wf7.so-net.ne.jp

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