「ゆ」の字に学ぶ
「ゆ」という字は、見るからに柔らかく優美です。ゆめ、ゆうゆう、ゆけむり、ゆるむ、ゆかい、ゆれる、ゆるす、ゆずる・・・と、ゆたかなゆとりを感じます。
能楽の大成者世阿弥は、「住する処なきを、まず花と知るべし」と言っています。一か所にとどまらないことが、芸を花のように美しくするのだということです。
いかにも剛直そうな宮本武蔵でさえ、「生きるというは、いつとなく、太刀も手も出合やすく、かたまらずして、切りよきようにやすらかなるを、これ生きる手というなり(『兵法三十五箇条』)」と柔らかさを強調しています。
また道元禅師は、宋留学のお土産は何かと聞かれて、「柔軟心」と答えました。当時中国に留学した仏教僧は、たくさんの経典をお土産に持ち帰るのが通例でした。しかし道元は手ぶらで帰って来て、師匠の如浄から教えられた柔軟心だけを持ち帰ったということです。
このように、芸能、武道、宗教とその道は違っても、やわらかさが大事であることを述べています。人生のあらゆる面において、ゆったりとした「ゆ」の字のイメージは、人生万般に通る極意であると言うことができます。
あらゆる道の根幹である呼吸法も、「ゆ」の字が象徴するやわらかさが大切です。丹田呼吸法の基本である波浪息は、波の動きからヒントを得た呼吸法です。波の滞ることのないなめらかな動きが、理想的な呼吸を生み出し、ひいてはゆたかな心を育むことになるのです。波浪息の実修を重ねて、背骨と仙骨をうねるように動かせるようになると、天と地が自分を通して統一し調和します。
ゆったり、ゆっくり、ゆうぜんと、「ゆ」の字の心で波浪息を続けてみてください。そうすればあなたは、いつの間にか完全息を身につけ、丹田呼吸法の極意を会得することでしょう。
能楽の大成者世阿弥は、「住する処なきを、まず花と知るべし」と言っています。一か所にとどまらないことが、芸を花のように美しくするのだということです。
いかにも剛直そうな宮本武蔵でさえ、「生きるというは、いつとなく、太刀も手も出合やすく、かたまらずして、切りよきようにやすらかなるを、これ生きる手というなり(『兵法三十五箇条』)」と柔らかさを強調しています。
また道元禅師は、宋留学のお土産は何かと聞かれて、「柔軟心」と答えました。当時中国に留学した仏教僧は、たくさんの経典をお土産に持ち帰るのが通例でした。しかし道元は手ぶらで帰って来て、師匠の如浄から教えられた柔軟心だけを持ち帰ったということです。
このように、芸能、武道、宗教とその道は違っても、やわらかさが大事であることを述べています。人生のあらゆる面において、ゆったりとした「ゆ」の字のイメージは、人生万般に通る極意であると言うことができます。
あらゆる道の根幹である呼吸法も、「ゆ」の字が象徴するやわらかさが大切です。丹田呼吸法の基本である波浪息は、波の動きからヒントを得た呼吸法です。波の滞ることのないなめらかな動きが、理想的な呼吸を生み出し、ひいてはゆたかな心を育むことになるのです。波浪息の実修を重ねて、背骨と仙骨をうねるように動かせるようになると、天と地が自分を通して統一し調和します。
ゆったり、ゆっくり、ゆうぜんと、「ゆ」の字の心で波浪息を続けてみてください。そうすればあなたは、いつの間にか完全息を身につけ、丹田呼吸法の極意を会得することでしょう。
スポンサーサイト