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呼吸を練る

 呼吸には心の状態がそのまま表れます。怒りの心は怒りの呼吸、恐れの心は恐れの呼吸、悲しみの心は悲しみの呼吸を生じさせます。
 心をコントロールすることの困難さに比べれば、呼吸をコントロールする方がずっと容易です。ですから、静かな心を養うには、静かな呼吸を身につけることです。
 坐禅の教科書の古典である「天台小止観」には、呼吸の在り方について「風・喘・気・息」の四つに分けて述べています。「風」を最下級の呼吸であるとし、順によくなって「息」が最高の呼吸であるとしています。いうなれば、「粗・細・微・妙」といったところです。「風」は肩が上下し、鼻息が聞こえるような粗っぽい呼吸です。少し細かくなって「喘」となり、より微細になって「気」になり、言うに言われぬ妙なる境地に至ると「息」になるということです。そして、粗から妙へと練り上げていくのが、丹田呼吸法の役割です。
 ゲーテは「自由に呼吸することは、人生を孤独にしない(『タウリス島のイフィゲーニエ』より)」と言っています。自由な呼吸が、心を生き生きとさせて、人生を孤独で寂しくさせないと言うのです。
  天地いっぱいに広がっていくような、伸びやかな深い呼吸が、ゲーテの言う「自由な呼吸」ということだと思います。そういう呼吸は、強迫観念、被害者意識、防衛機制などに束縛された不自由な人生から解放してくれます。

    
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プロフィール

鈴木光彌

Author:鈴木光彌
1943年(昭和18)東京都葛飾区水元に生まれる
法政大学法学部卒
在学中は応援団に所属し、副団長を務めていたが、今も、人々に生きる勇気と喜びを鼓吹する応援団を任じている。、
昭和55年、公益社団法人調和道協会に入会し、丹田呼吸法を学ぶ
以来研鑚を重ね、現在養根塾を主宰して活動中
著書:「丹田湧気法入門」柏樹社(共著)、「丹田を創る呼吸法」BABジャパン、「丹田を創って『腹の人』になる」小学館、「藤田霊斎 丹田呼吸法」佼成出版社

【養根塾】
◇会場: 高輪アンナ会館
東京都港区高輪2-1-13
都営浅草線 泉岳寺駅A2口徒歩5分
◇日時:毎週火 1:00~3:00PM
◇会費:1000円/1回
自由ヶ丘教室 第2・4金 10:30AM
若葉教室 毎週金 6:00PMも併設
お問合せ 090-5405-4763 鈴木
Eメール
mitsuya@wf7.so-net.ne.jp

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