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肚で考える

 世界の禅者と称された鈴木大拙博士(1870~1966)も、肚を重視し、講演で次のように語っています『禅と精神分析(東京創元社刊)。

 肚で考えるということを実際的に考えてみよう。―横隔膜をぐっと押し下げる。すると胸廓がゆったりとして機能が正しく働く。そこでからだがゆったりと落ち着いてくる。これが公案を受け入れるのにまことにピッタリした姿勢である。

 日常私たちは言葉を使って考えます。「明日はAで買い物をして、B
で食事をして・・・」と、心の中でぶつぶつ言葉を話しているものです。内言といものです。しかし、時間空間を超越した絶対の世界は、言葉では表現しきれません。
 禅で公案をねる場合がそうです。そういうことは頭で考えるのではなく、肚で考えるのだと大拙博士はここで述べています。
 「般若心経」という仏教経典がありますが、この「般若」とは、パーリー語の「パンニャー」を中国語として音訳したものです。直感的に、統合的に物事の本質をとらえる知恵です。
 肚で考えるとは、この般若の知恵を発揮することです。公案は、分析的思考の呪縛を解くために工夫されたもので、般若の知恵でなくては解けません。そのために、横隔膜をぐっと押し下げ、胸郭をゆったりとさせよ、と大拙先生は言っているのです。調和道でいう「上虚下実」です。
 本当に安心立命の境地に至るには、上虚下実の姿勢が大前提なのです。
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鈴木光彌

Author:鈴木光彌
1943年(昭和18)東京都葛飾区水元に生まれる
法政大学法学部卒
在学中は応援団に所属し、副団長を務めていたが、今も、人々に生きる勇気と喜びを鼓吹する応援団を任じている。、
昭和55年、公益社団法人調和道協会に入会し、丹田呼吸法を学ぶ
以来研鑚を重ね、現在養根塾を主宰して活動中
著書:「丹田湧気法入門」柏樹社(共著)、「丹田を創る呼吸法」BABジャパン、「丹田を創って『腹の人』になる」小学館、「藤田霊斎 丹田呼吸法」佼成出版社

【養根塾】
◇会場: 高輪アンナ会館
東京都港区高輪2-1-13
都営浅草線 泉岳寺駅A2口徒歩5分
◇日時:毎週火 1:00~3:00PM
◇会費:1000円/1回
自由ヶ丘教室 第2・4金 10:30AM
若葉教室 毎週金 6:00PMも併設
お問合せ 090-5405-4763 鈴木
Eメール
mitsuya@wf7.so-net.ne.jp

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