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腹の文化

 江戸時代の後期に、源清音という田宮流居合の師範がおりました。この人が、『剣法形状本義』という著書の中で次のように述べています。

 腹の大なるは強し。小なるものは弱し。然れども大にしてしまりあしきは作用重く且息に響く。また腹の皮厚きものは其身強し。腹は学びに依りて調い、締まるに非れば可ならず。鳩尾高く腹出でざる程は、其業可成りと雖も意に迷いて定らず。腹調わざれば作用も又能くし難し。

 腹の形と剣術の関係について述べていて、腹は大きい方がよいと言っています。ギリシャ彫刻のような細いウエストをよしとする見方とはだいぶ異なっています。でも、大きくても、しまりが悪いのは動作が鈍く息が上がってしまうので、稽古によって形を調え締まった形にしなくてはダメだとも言っています。
 鳩尾(みぞおち)が高く出っ張っているのは、わざができていても、心に迷いが出て安定しないというところは、白隠禅師の「ひさご腹」と符節が合っていて、丹田呼吸の理にかなっています。
 文末では、腹が調わなければ、動作もうまくできないという言葉は、腹を大切にした古人の考え方をで、動作の起点としての腹を考え直すための貴重な見解だと思います。
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鈴木光彌

Author:鈴木光彌
1943年(昭和18)東京都葛飾区水元に生まれる
法政大学法学部卒
在学中は応援団に所属し、副団長を務めていたが、今も、人々に生きる勇気と喜びを鼓吹する応援団を任じている。、
昭和55年、公益社団法人調和道協会に入会し、丹田呼吸法を学ぶ
以来研鑚を重ね、現在養根塾を主宰して活動中
著書:「丹田湧気法入門」柏樹社(共著)、「丹田を創る呼吸法」BABジャパン、「丹田を創って『腹の人』になる」小学館、「藤田霊斎 丹田呼吸法」佼成出版社

【養根塾】
◇会場: 高輪アンナ会館
東京都港区高輪2-1-13
都営浅草線 泉岳寺駅A2口徒歩5分
◇日時:毎週火 1:00~3:00PM
◇会費:1000円/1回
自由ヶ丘教室 第2・4金 10:30AM
若葉教室 毎週金 6:00PMも併設
お問合せ 090-5405-4763 鈴木
Eメール
mitsuya@wf7.so-net.ne.jp

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