腹の文化
江戸時代の後期に、源清音という田宮流居合の師範がおりました。この人が、『剣法形状本義』という著書の中で次のように述べています。
腹の大なるは強し。小なるものは弱し。然れども大にしてしまりあしきは作用重く且息に響く。また腹の皮厚きものは其身強し。腹は学びに依りて調い、締まるに非れば可ならず。鳩尾高く腹出でざる程は、其業可成りと雖も意に迷いて定らず。腹調わざれば作用も又能くし難し。
腹の形と剣術の関係について述べていて、腹は大きい方がよいと言っています。ギリシャ彫刻のような細いウエストをよしとする見方とはだいぶ異なっています。でも、大きくても、しまりが悪いのは動作が鈍く息が上がってしまうので、稽古によって形を調え締まった形にしなくてはダメだとも言っています。
鳩尾(みぞおち)が高く出っ張っているのは、わざができていても、心に迷いが出て安定しないというところは、白隠禅師の「ひさご腹」と符節が合っていて、丹田呼吸の理にかなっています。
文末では、腹が調わなければ、動作もうまくできないという言葉は、腹を大切にした古人の考え方をで、動作の起点としての腹を考え直すための貴重な見解だと思います。
腹の大なるは強し。小なるものは弱し。然れども大にしてしまりあしきは作用重く且息に響く。また腹の皮厚きものは其身強し。腹は学びに依りて調い、締まるに非れば可ならず。鳩尾高く腹出でざる程は、其業可成りと雖も意に迷いて定らず。腹調わざれば作用も又能くし難し。
腹の形と剣術の関係について述べていて、腹は大きい方がよいと言っています。ギリシャ彫刻のような細いウエストをよしとする見方とはだいぶ異なっています。でも、大きくても、しまりが悪いのは動作が鈍く息が上がってしまうので、稽古によって形を調え締まった形にしなくてはダメだとも言っています。
鳩尾(みぞおち)が高く出っ張っているのは、わざができていても、心に迷いが出て安定しないというところは、白隠禅師の「ひさご腹」と符節が合っていて、丹田呼吸の理にかなっています。
文末では、腹が調わなければ、動作もうまくできないという言葉は、腹を大切にした古人の考え方をで、動作の起点としての腹を考え直すための貴重な見解だと思います。
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