お謡と丹田呼吸
観世流能楽の中興の祖といわれた、第9世観世黒雪(1566~1626)は、観世流謡曲の極意を和歌の形で残しています。
わが宿は菊を籬(まがき)に露敷きて
月にうたふる瓢箪(ひょうたん)の声
黒雪7は幼少から徳川家康につかえ、秀忠にも能を指導した人物です。
観世流のお家芸(わが宿)は、菊の垣根のように美しくて強く、露のようなうるおいをもたせ、ひょうたんのように腹をふくらませ、八分目に謡え、ということを教えているのです。
また、観世流で使用する見台(謡本を置く台)には、左側には二分欠けの月が、右側にはひょうたんが透かし彫りにしてあって、黒雪の和歌の下の句が反映されています。
見台にまで、謡うときの呼吸の仕方が表わされているところが、大変興味深くいですね。
ひょうたんのような、すなわち、上虚下実の腹で、いきまないように漏気(八分の月)に心して謡え、ということです。見台が丹田呼吸法を教えているのです。
ひさご腹の重要さを説く点で白隠禅師とまったく同じですが、黒雪の方が白隠(1685~1768)より年代的に先輩ですから、黒雪オリジナルの見解ということができます。
このことから丹田呼吸法が、広い分野で活用されていることがわかります
わが宿は菊を籬(まがき)に露敷きて
月にうたふる瓢箪(ひょうたん)の声
黒雪7は幼少から徳川家康につかえ、秀忠にも能を指導した人物です。
観世流のお家芸(わが宿)は、菊の垣根のように美しくて強く、露のようなうるおいをもたせ、ひょうたんのように腹をふくらませ、八分目に謡え、ということを教えているのです。
また、観世流で使用する見台(謡本を置く台)には、左側には二分欠けの月が、右側にはひょうたんが透かし彫りにしてあって、黒雪の和歌の下の句が反映されています。
見台にまで、謡うときの呼吸の仕方が表わされているところが、大変興味深くいですね。
ひょうたんのような、すなわち、上虚下実の腹で、いきまないように漏気(八分の月)に心して謡え、ということです。見台が丹田呼吸法を教えているのです。
ひさご腹の重要さを説く点で白隠禅師とまったく同じですが、黒雪の方が白隠(1685~1768)より年代的に先輩ですから、黒雪オリジナルの見解ということができます。
このことから丹田呼吸法が、広い分野で活用されていることがわかります
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