呼吸の質
息を行(や)るのは、息を「空(くう)」に向かわしめるためである。
『大安般守意経(だいあんぱんしゆいきよう)』より
『大安般守意経(アナパーナサチ)』は、呼吸に意識を用いること、すなわち呼吸法を説いた仏教経典です。
息も呼吸も、英語で言えばbreathingですが、少しニュアンスが違います。『天台小止観』という本には、呼吸には、「風(ふう)・喘(せん)・気・息」の四つの形があって、「風」が最も悪い呼吸で、「息」が最も良い呼吸であると言っています。
「風」は、空気が鼻を出入りするとき、音がして粗っぽい呼吸のことです。喘、気と、少しずつ良くなっていって、「息」は最も良質な呼吸で、音もなく結滞もなく、きめ細かく滑らかな呼吸だと言うのです。
「行(や)る」というのは、修行するということです。まず、風から喘、気と、呼吸の質を上げていって、息にまで高める修行をするということです。そしてさらに息を、「空」に向かわせるということが、呼吸法修行の目的だということです。
私たちのいのちというものは、自分の内部だけで閉じていては維持することが出来ません。すなわち、いのちは開放系であり、空(宇宙)にまでつながることで、生き生きとはたらくのです。
『大安般守意経(だいあんぱんしゆいきよう)』より
『大安般守意経(アナパーナサチ)』は、呼吸に意識を用いること、すなわち呼吸法を説いた仏教経典です。
息も呼吸も、英語で言えばbreathingですが、少しニュアンスが違います。『天台小止観』という本には、呼吸には、「風(ふう)・喘(せん)・気・息」の四つの形があって、「風」が最も悪い呼吸で、「息」が最も良い呼吸であると言っています。
「風」は、空気が鼻を出入りするとき、音がして粗っぽい呼吸のことです。喘、気と、少しずつ良くなっていって、「息」は最も良質な呼吸で、音もなく結滞もなく、きめ細かく滑らかな呼吸だと言うのです。
「行(や)る」というのは、修行するということです。まず、風から喘、気と、呼吸の質を上げていって、息にまで高める修行をするということです。そしてさらに息を、「空」に向かわせるということが、呼吸法修行の目的だということです。
私たちのいのちというものは、自分の内部だけで閉じていては維持することが出来ません。すなわち、いのちは開放系であり、空(宇宙)にまでつながることで、生き生きとはたらくのです。
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