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門より入るものはこれ家珍にあらず

  「門より入るものはこれ家珍にあらず」という言葉があります。外から入ってくるものは、本当の家の宝ではない、ということです。さらに言えば、本当の宝は家(自己)の中にある、ということです。
 私たちは、地位、名誉、財産など、自己の本質の外にあること、門より入ってくるものにとらわれて、もともと自分に具わっているものの価値を忘れています。
 本当に必要なものは、もともと自分に具わっているものだと気付くには、心を鎮めて安定させなければなりません。自分の外にあるもの、門から入るものは、偶然に左右されて確かなものではありません。ですからそればかりに頼ると、人生は不安定なものになってしまうのです。
 人生を安定させるためには、心を安定させることです。 しかし、心は自分のものでありながら、思う通りにコントロールできません。心を安定させるには丹田が重要なカギとなります。
 丹田を創るためには、呼吸の仕方がポイントです。その呼吸の仕方の要点は、呼吸に意志を込めることです。日常無意識に行なっている呼吸を、意識的に行なうのです。その意識呼吸の実践が、丹田に充実感をもたらします。つまり、意識呼吸は丹田呼吸になるのです。
 門の中にある丹田や呼吸に、気づいて頂きたいと思います。
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呼吸の祈り化 Ⅱ

  「天の父さま、どんな不幸を吸っても、はくいきは感謝でありますように、一刻々々が恵みの呼吸なのですから」 河野 進

 人生は楽なことばかりはなく、悲しいことや苦しいことにも出会います。しかし、悲しみや苦しみや不幸をに打ちひしがれて、被害者意識に陥って、沈んで暮らすのは愚の骨頂です。人間は自由意思が与えられているのです。どんな境遇にあっても、心はまったく自由なのです。
 
 一回祈るごとに、心の中のヘドロは中和され浄化されます。祈りの力はすごいものです。 「渋柿の渋そのものの甘さかな」と申します。舌に貼りつくような強烈な渋自体が、太陽の光によって甘さに変わってしまうように、祈りは心のヘドロを栄養に変えてしまうのです。
 そんな祈りをいつでもしていたいものです。生活の中で祈るのではなく、祈りの中で生活するのです。そんな、仕事やいろいろしなければならないのに、祈りばかりしていられないよ、と言われるかもしれません。そこで、吐く息を祈りにしてしまうのです。どんなに忙しくても、呼吸はしているわけですから、呼気そのものを祈りにしてしまえば、仕事中はもちろん、寝ている間も祈ってていることになります。まさに祈りの中の生活であり、祈りの人そのものです。 呼吸もここまでくれば名人級です。

 呼吸の祈り化とは、人生の一こま一こまを大事に生きることです。以前飛ばし読みしていた本を、改めてじっくりと読んでみる。すると、前にはまったく気づかなかったことに、新しい感銘を受けることがあります。前は何を読んでいたのだろうと思います。 
 祈りの心をもって丁寧に生きていくと、一日一日が、新鮮で感動をもって過ごすことが出来ます。

お休みのお知らせ

9月18日(火)の養根塾は、都合によりお休みいたします。
よろしくお願いいたします。

腰腹文化

 明治の後年のほぼ同時期に、丹田を中心とする身心鍛錬法の指導者が三人おりました。調和道道祖藤田霊斎、静坐法の岡田虎二郎、聖中心道の肥田春充(1883〈明治16〉~1956〈昭和31三一〉)です。
 その中の肥田春充(ひだはるみち)を取り上げます。

 彼には、「上体は清明空虚 腰腹は充実強固」という言葉があります。         
  「上体は清明空虚」とは、肩や胸、背は、清く明るいイメージに保って、胸郭は、つかえのないカラリとした状態であれ、ということです。要するに「上虚」いうことです。
 そして「腰腹は充実強固」ということです。下実ということで、腰と腹はしっかりと充実させることです。
 斉藤孝明治大学教授は、日本の武道、芸道等の伝統文化は腰と腹に基づいていると述べています。丹田は、腰と腹の両面から考えなくてはなりません。腰腹文化です。
 ちなみに肥田春充師のお兄さんである、川合信水師は、熱心に調和道の丹田呼吸法の修行をされていた方です。

息はいのち

 クリスチャンで野の詩人と言われた宮崎童安(1888〈明治21〉~1963〈昭和38〉)は、次の言葉を残しています。

この息は神仏そのもののいのちである。
この息によって身は神仏とひとつに結びついている。


 息を数分止めれば、私たちは死んでしまいます。息はいのちそのものです。息は自分で考えだしたことではないし、習い覚えたものでもありません。生まれた時から今日まで自然にしてきました。まさに神仏から頂いた,神仏そのもののいのちを生きていることになります。
 吸う息は神からいのちを授かることであり、吐く息は神への祈りです。まさに息は、神仏と私たちの愛と感謝の交流であると言えます。

 もう一つ童安の詩を掲げます。

  必然に従う
生命の必然に随って動く
その良さを知った
花がひらくように
雲が動くように
水が流れるように
私は私の生命の
必然に従おう
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プロフィール

鈴木光彌

Author:鈴木光彌
1943年(昭和18)東京都葛飾区水元に生まれる
法政大学法学部卒
在学中は応援団に所属し、副団長を務めていたが、今も、人々に生きる勇気と喜びを鼓吹する応援団を任じている。、
昭和55年、公益社団法人調和道協会に入会し、丹田呼吸法を学ぶ
以来研鑚を重ね、現在養根塾を主宰して活動中
著書:「丹田湧気法入門」柏樹社(共著)、「丹田を創る呼吸法」BABジャパン、「丹田を創って『腹の人』になる」小学館、「藤田霊斎 丹田呼吸法」佼成出版社

【養根塾】
◇会場: 高輪アンナ会館
東京都港区高輪2-1-13
都営浅草線 泉岳寺駅A2口徒歩5分
◇日時:毎週火 1:00~3:00PM
◇会費:1000円/1回
自由ヶ丘教室 第2・4金 10:30AM
若葉教室 毎週金 6:00PMも併設
お問合せ 090-5405-4763 鈴木
Eメール
mitsuya@wf7.so-net.ne.jp

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