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情けは人の為ならず

 プロ野球の投手として、また監督として活躍した星野仙一さんが亡くなりました。私が法政大学の応援団副団長をしていたとき、星野投手は明治大学の2年生で、闘志をむき出しにしてマウンドに立っていました。
 当時の明治の野球部は、神宮球場名物の島岡監督の時代でしたから、持ち前の闘志は一層拍車をかけられていたのでしょう。

 星野さんがテレビなどの対談で、お母さんへの感謝の思いを口にしていました。母一人で苦労して大学まであげてくれたお母さんを楽にさせたい一心で頑張ったということでした。
 母親想いということでは、野村克也さん、張本勲さんにも共通しています。戦後初の三冠王をもたらしたのも、3000本安打という大記録を実現させたのも、母へのひたむきな感謝と愛の心が大きな力になったのだと思います。

 人間は、自分のことばかり考えていたのでは、モチベーションがあがらず大きな成果を残せません。人のために必死になった時、心底から勇気が湧いてきて、思いがけない力が発揮できるもののようです。人生の妙味は、ここにあるように思います。

 

 
 
 
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生命の知恵

 生命それ自体、生命を維持するための知恵を持っています。身体の中でも特に腹は、生命の知恵が発達している部位です。わけても腸は生命の知恵の宝庫です。

 身体の器官の中でも腸は、発生的にいって一番古参の存在です。腸には、エネルギーの素を取り入れ、そのかすを排泄して生きていく原始的生命力があるのです。腸さえあれば、生命体として生き続けることが出来ます。

 この原始的生命力を盛んにするのは、呼吸の仕方がポイントになります。呼吸は生命維持のための最も端的な活動だからです。
それも、腹を意識した丹田呼吸が非常に有効です。
 今ここに生かされていることに感謝しながら丹田呼吸を行うと、腸が活性化し、生命の知恵が発動し、宇宙の生命につながります。場所も道具も使わない、丹田呼吸を多くの方に行っていただきたいと思います。

 養根塾にぜひお越しになってください。

呼吸の祈り化

 丹田呼吸で、心を込めて息を吐くことをしていると、心が澄んできて、呼気そのものが祈りになってくるように感じます。私はこれを「呼吸の祈り化」と言っています。 

 そもそも呼吸は、宇宙から生命の源を頂くことであり、感謝のメッセージを送り返すことと言えます。
 日常生活に追われていると、自分という存在がどんどん矮小化されてしまいがちです、しかし私たちは本来、宇宙の大生命の中に生かされています。それを思い出させるのは、祈り化された「魂の呼吸」です。

 カルメル会司祭奥村一郎師(大正12<1923>~平成26<2014>)の以下の言葉は、このことを適切に表現しています。

祈りとは「魂の呼吸」である。
さらにいえば、
「心の奥深くに秘められた神の呼吸」
ともいえよう。
小さな一輪の野の花にも、
宇宙大の自然が息づいているように、
私たちの一瞬の呼吸にも、
神の愛の息吹がある。
    

剣と丹田呼吸

 幕末の剣豪白井亨を、勝海舟が「神通力を具えていた」と激賞したほどの名人たらしめたのは丹田呼吸でした。
 8歳の時から機迅流の依田秀復に師事したあと江戸に出て、一刀流の中西子啓の門をたたき、5年間の猛稽古によって、寺田宗有、高柳又四郎と共に「中西道場の三羽烏」と称されるまでになります。
 その後も武者修行をして剣の道に励んでいましたが、ある時、「世の中には多くの剣客がいるが、40歳になるころにはだれでも衰えてしまう。若くて体力のあるうちは強くても、年を重ねて体力が落ちるにつれて弱くなってしまうようなことに、一生を賭けて何になるのだ。20年間も無駄なことをしてきたものだ」と疑問を抱き悩み続けてしまいます。
 そんな折、中西道場の先輩である寺田宗有を訪ね、旧交を温めます。そして、寺田の申し出によって、二人は木剣をもって手合わせをすることになったのです。このとき、寺田は63歳で、白井は28歳。35歳もの年齢差からしても勝敗の行方は歴然。しかし、寺田のすさまじい気迫に圧倒されて身体が萎縮して、蛇ににらまれた蛙のようになってしまいます。
 うちしおれる白井に寺田は、毎日水をかぶることと、白隠禅師伝来の「練丹の法」を教えます。水をかぶることは途中で断念しますが、「練丹の法」は一心に打ち込みました。そして自身の練丹の法を会得して「赫気(かっき)術」と名づけました。
 それは「目や耳など五官のはたらきに頼らず丹田の力で外界の動きを察知し、丹田からの赫気によって相手を圧倒してしまう」ものです。剣の相手には、あたかも丹田から腕、そして指先を伝って剣先まで力の伸びが目に見えるように感じられたのです。それを勝海舟は、神通力と表現したのでしょう。
 練丹の法によって白井は、体力に頼ることのない、年齢とともに向上する天真無為の道を得たのでした。
 

陽気に暮らす

 明けましておめでとうございます。
 皆様には、どのような元旦をお迎えになりましたでしょうか。
 陰から陽に向かうお正月の朝の光は、格別すがすがしいものがあります。

 江戸時代の神道家である黒住宗忠(安永9年(1780~嘉永三年(1850)は、「御陽気修行」を提唱しています。朝、東の空に昇る太陽を、息を吸うと共に腹に収める修行で、次のように述べています。
 「御陽気(ごようき)を吸うて下腹をはり、日々怠らず年月を重ねる時は臍下気海丹田(さいかきかいたんでん)金石(きんせき)の如く堅くなる。かくならざれば道人とは云い難し。……御陽気臍下に集合積重団結すれば病なく身体総(すべ)て健剛なり。」
 これは黒住宗忠自身の体験によって創始された方法です。宗忠自身が重度の結核で死を覚悟し、縁側に坐って太陽に向って呼吸を調えていたら、太陽が口から飛び込むような感覚になって、結核を克服したというものでした。これは、白隠禅師の『夜船閑話』で語られる体験と軌を一にしていて、興味深いものがあります。
 そしてまた、養根塾でも実修している藤田霊斎師の創案による「太陽息」に引き継がれております。 
 日々丹田呼吸法を実践して、陽気に笑顔で暮らす一年でありたいものです。

 

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プロフィール

鈴木光彌

Author:鈴木光彌
1943年(昭和18)東京都葛飾区水元に生まれる
法政大学法学部卒
在学中は応援団に所属し、副団長を務めていたが、今も、人々に生きる勇気と喜びを鼓吹する応援団を任じている。、
昭和55年、公益社団法人調和道協会に入会し、丹田呼吸法を学ぶ
以来研鑚を重ね、現在養根塾を主宰して活動中
著書:「丹田湧気法入門」柏樹社(共著)、「丹田を創る呼吸法」BABジャパン、「丹田を創って『腹の人』になる」小学館、「藤田霊斎 丹田呼吸法」佼成出版社

【養根塾】
◇会場: 高輪アンナ会館
東京都港区高輪2-1-13
都営浅草線 泉岳寺駅A2口徒歩5分
◇日時:毎週火 1:00~3:00PM
◇会費:1000円/1回
自由ヶ丘教室 第2・4金 10:30AM
若葉教室 毎週金 6:00PMも併設
お問合せ 090-5405-4763 鈴木
Eメール
mitsuya@wf7.so-net.ne.jp

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