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呼吸の祈り化 Ⅱ

  「天の父さま、どんな不幸を吸っても、はくいきは感謝でありますように、一刻々々が恵みの呼吸なのですから」 河野 進

 人生は楽なことばかりはなく、悲しいことや苦しいことにも出会います。しかし、悲しみや苦しみや不幸をに打ちひしがれて、被害者意識に陥って、沈んで暮らすのは愚の骨頂です。人間は自由意思が与えられているのです。どんな境遇にあっても、心はまったく自由なのです。
 
 一回祈るごとに、心の中のヘドロは中和され浄化されます。祈りの力はすごいものです。 「渋柿の渋そのものの甘さかな」と申します。舌に貼りつくような強烈な渋自体が、太陽の光によって甘さに変わってしまうように、祈りは心のヘドロを栄養に変えてしまうのです。
 そんな祈りをいつでもしていたいものです。生活の中で祈るのではなく、祈りの中で生活するのです。そんな、仕事やいろいろしなければならないのに、祈りばかりしていられないよ、と言われるかもしれません。そこで、吐く息を祈りにしてしまうのです。どんなに忙しくても、呼吸はしているわけですから、呼気そのものを祈りにしてしまえば、仕事中はもちろん、寝ている間も祈ってていることになります。まさに祈りの中の生活であり、祈りの人そのものです。 呼吸もここまでくれば名人級です。

 呼吸の祈り化とは、人生の一こま一こまを大事に生きることです。以前飛ばし読みしていた本を、改めてじっくりと読んでみる。すると、前にはまったく気づかなかったことに、新しい感銘を受けることがあります。前は何を読んでいたのだろうと思います。 
 祈りの心をもって丁寧に生きていくと、一日一日が、新鮮で感動をもって過ごすことが出来ます。
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お休みのお知らせ

9月18日(火)の養根塾は、都合によりお休みいたします。
よろしくお願いいたします。

腰腹文化

 明治の後年のほぼ同時期に、丹田を中心とする身心鍛錬法の指導者が三人おりました。調和道道祖藤田霊斎、静坐法の岡田虎二郎、聖中心道の肥田春充(1883〈明治16〉~1956〈昭和31三一〉)です。
 その中の肥田春充(ひだはるみち)を取り上げます。

 彼には、「上体は清明空虚 腰腹は充実強固」という言葉があります。         
  「上体は清明空虚」とは、肩や胸、背は、清く明るいイメージに保って、胸郭は、つかえのないカラリとした状態であれ、ということです。要するに「上虚」いうことです。
 そして「腰腹は充実強固」ということです。下実ということで、腰と腹はしっかりと充実させることです。
 斉藤孝明治大学教授は、日本の武道、芸道等の伝統文化は腰と腹に基づいていると述べています。丹田は、腰と腹の両面から考えなくてはなりません。腰腹文化です。
 ちなみに肥田春充師のお兄さんである、川合信水師は、熱心に調和道の丹田呼吸法の修行をされていた方です。

息はいのち

 クリスチャンで野の詩人と言われた宮崎童安(1888〈明治21〉~1963〈昭和38〉)は、次の言葉を残しています。

この息は神仏そのもののいのちである。
この息によって身は神仏とひとつに結びついている。


 息を数分止めれば、私たちは死んでしまいます。息はいのちそのものです。息は自分で考えだしたことではないし、習い覚えたものでもありません。生まれた時から今日まで自然にしてきました。まさに神仏から頂いた,神仏そのもののいのちを生きていることになります。
 吸う息は神からいのちを授かることであり、吐く息は神への祈りです。まさに息は、神仏と私たちの愛と感謝の交流であると言えます。

 もう一つ童安の詩を掲げます。

  必然に従う
生命の必然に随って動く
その良さを知った
花がひらくように
雲が動くように
水が流れるように
私は私の生命の
必然に従おう

一生向上の道

文明開化の世を目前にした幕末の頃、剣の腕前だけでなく、精神性にも優れた剣術家が輩出しました。そのうちの、白井亨義謙(よしかね)を取り上げてみたいとおもいます。
 白井は、体力的にも腕力にも恵まれませんでしたが、激しい稽古によって道場では並ぶ者のないほどの腕前となり、武者修行に出ます。
 武者修行中も白井の努力は続きました。そんなある日、不思議な境地に立ちました。「強いほうが勝ち、弱いほうが負ける。しかも強くなっても、年とともにその強さも衰えていってしまう。そんなことに命をかけて何になるのだ。思えばバカなことをしてきたものだ」と、泣いて過去を喰います。そして年齢と共に成長していく道を求めるのです。
 そんな思いを、かつての兄弟子の寺田宗有に語ると、寺田は白井に、精神を練ることの大切さを説き、水をかぶることをすすめました。そこで早速実践し始めますが、寺田程の頑健な体力に恵まれない白井は、水行によって体調を損なってしまいます。
 次に寺田は、白隠禅師の弟子の東嶺禅師から伝授された丹田呼吸法をすすめます。この丹田呼吸法によって白井は、年とともに進化向上する剣の道に開眼します。そして、白井の剣先から白い輪が出ると自称するほどの域に達します。勝海舟も[白井先生の剣はすばらしい]と絶賛しています。
 現代の様に、物量やパワーに価値を置く風潮の中では見ることのできない、年齢とともに進化向上する道があることを白井亨は実現して見せました。その秘訣は、丹田呼吸法にあったのです。
プロフィール

鈴木光彌

Author:鈴木光彌
1943年(昭和18)東京都葛飾区水元に生まれる
法政大学法学部卒
在学中は応援団に所属し、副団長を務める
今も、人々に生きる勇気と喜びを鼓吹する応援団を任じている
昭和55年、公益社団法人調和道協会に入会し、丹田呼吸法を学ぶ
以来研鑚を重ね、現在養根塾を主宰して活動中
著書:「丹田湧気法入門」柏樹社(共著)、「丹田を創る呼吸法」BABジャパン、「丹田を創って『腹の人』になる」小学館、「藤田霊斎 丹田呼吸法」佼成出版社

【養根塾】
◇会場: 高輪アンナ会館
東京都港区高輪2-1-13
都営浅草線 泉岳寺駅A2口徒歩5分
◇日時:毎週火 1:00~3:00PM
◇会費:1000円/1回
自由ヶ丘教室 第2・4金 10:30AM
若葉教室 毎週金 6:00PMも併設
お問合せ 090-5405-4763 鈴木
Eメール
mitsuya@wf7.so-net.ne.jp

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