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祓いの思想

 神道の行事として、6月と12月に大祓(おおはらえ)の行事があります。1年の中間と終わりにあたって、自分の実態を顧みてそのケガレを祓うという、非常に意味のある行事です。
 その時に読まれる「大祓の詞(ことば)は次の通りです。

息吹戸(いぶきど)に坐(ま)す息吹戸主という神、根の国・底の国に息吹放ちてむ。斯(か)く息吹放ちてば、根の国・底の国に坐す速流離姫(はやさすらひめ)という神、持ち流離(さすら)い失いてむ。
(息を吹く所にいらっしゃる息吹戸主という神様が、地下にある死後の世界を、息を吹いて吹き飛ばすでしょう。こうして息で吹き飛ばせば、その地下の国にいらっしゃる速さすら姫という神様がさすらって出てきて、その罪穢れがなくなってしまいます。)

 息吹戸主という神様は、その息吹によって、罪や穢れを吹き払う力を持っています。まさに呼吸の神様と言えます。
 昔から、呼吸が罪や穢れを祓い清める力を持ったものとして考えられていたことは興味深いことです。呼吸に心を込めた調和道丹田呼吸法を実修して見ると、昔の人の直感の正しいことが実感できます。実修が終ったあとのあの清々しさは、諸々のけがれが吹き飛ばされた感じがします。
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根っこの魂

  坂村真民(1909~2006)さんは、野鳥が目覚め、宇宙の霊気が一番生き生きとしているという午前3時36分に、自宅を出て長い時間お祈りを捧げていたということです。
 その全身全霊を挙げた祈りならば、真民さんの代表作である「念ずれば花ひらく」ことは本当のことだと思えてきます。この「念ずれば花ひらく」の詩碑は、国能力内外500か所以上で石碑に刻まれているということも、真民さんの祈りのパワーを実感させてくれます。

 真民さんには「気海丹田」という詩があり、私の応援歌になっていますが、次の「タンポポ魂」という詩も、養根塾の心をそのまま表してくれていて大好きな詩です。

「タンポポ魂」
踏みにじられても
食いちぎられても
死にもしない
枯れもしない
その根強さ
そしてつねに
太陽に向かって咲く
その明るさ
わたしはそれを
私の魂とする


 調和道丹田呼吸を実践していると、タンポポの根の力強さと、つねに太陽に向かって咲く花の明るさが、身体中にあふれてくるのを感じます。

 令和元年も師走となりました。寒さに向かっている今もタンポポは、春にそなえて根っこを目に見えない土の中に深く深く伸ばす努力をし続けていることでしょう。

これぞ腹の人

 1917年に、アジア人としては最初にノーベル賞を受賞したインドの思想家ラビンドラナート・タゴール(1861~1941)は、「ギタンジャリ」という詩の中で、自らの願いを述べています。

 危険から守られるのではなく、恐れなく立ち向かう勇気を
 私の悩みが鎮まることよでなく、悩みに打ち勝つ心の強さを
 救われることを渇望するのではなく、苦難を乗り越えていく力
 私はこういうことを願うのである。

 自分の今の立場を、責任転嫁しているとますます事態は悪化していきます。逆にすべて自分で引き受ける気構えを持つと、前途は一気に打開されてきます。この気構えを持つ人を「腹の人」というのです。
 
 腹を錬れ腹を鍛えよ人は腹 腹の人こそ世に尊けれ」という調和道丹田呼吸法の創始者、藤田霊斎師の道歌は、タゴールの思いとピッタリ符節が合っています。
 

肚で考える

 世界の禅者と称された鈴木大拙博士(1870~1966)も、肚を重視し、講演で次のように語っています『禅と精神分析(東京創元社刊)。

 肚で考えるということを実際的に考えてみよう。―横隔膜をぐっと押し下げる。すると胸廓がゆったりとして機能が正しく働く。そこでからだがゆったりと落ち着いてくる。これが公案を受け入れるのにまことにピッタリした姿勢である。

 日常私たちは言葉を使って考えます。「明日はAで買い物をして、B
で食事をして・・・」と、心の中でぶつぶつ言葉を話しているものです。内言といものです。しかし、時間空間を超越した絶対の世界は、言葉では表現しきれません。
 禅で公案をねる場合がそうです。そういうことは頭で考えるのではなく、肚で考えるのだと大拙博士はここで述べています。
 「般若心経」という仏教経典がありますが、この「般若」とは、パーリー語の「パンニャー」を中国語として音訳したものです。直感的に、統合的に物事の本質をとらえる知恵です。
 肚で考えるとは、この般若の知恵を発揮することです。公案は、分析的思考の呪縛を解くために工夫されたもので、般若の知恵でなくては解けません。そのために、横隔膜をぐっと押し下げ、胸郭をゆったりとさせよ、と大拙先生は言っているのです。調和道でいう「上虚下実」です。
 本当に安心立命の境地に至るには、上虚下実の姿勢が大前提なのです。

センス・オブ・ワンダー

 『センス・オブ・ワンダー(新潮社刊)』という本があります。著者は、レイチェル・カーソン(1907~1964)という、作家にして海洋生物学者の女性です。「センス・オブ・ワンダー(The Sense of Wonder)」とは、「美しいもの、未知なもの、神秘的なものに目を見はる感性」ということです。
 「何だろう?」「なぜ?」とか、「ウヮー、きれい!」「ふしぎだ!」という、「?」や「!」が心の中にあふれているほど、人生を豊かに生きることになります。

    【幼い日】
  幼い日は 水がものいう日
  木がそだてば そだつひびきが 聞こえる日

 子供は誰もがセンス・オブ・ワンダーの持ち主であると、八木重吉(1898~1927)は上のように詠っています。この感性を再びよみがえらせるには、呼吸の仕方が大事になります。吸う息は大自然の恵みとして感謝で頂き、吐く息も丁寧に大自然に感謝を込めてお返しします。
 それはおのずと、マインドフルネスの呼吸法となり、深い瞑想となるのです。


 

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プロフィール

鈴木光彌

Author:鈴木光彌
1943年(昭和18)東京都葛飾区水元に生まれる
法政大学法学部卒
在学中は応援団に所属し、副団長を務めていたが、今も、人々に生きる勇気と喜びを鼓吹する応援団を任じている。、
昭和55年、公益社団法人調和道協会に入会し、丹田呼吸法を学ぶ
以来研鑚を重ね、現在養根塾を主宰して活動中
著書:「丹田湧気法入門」柏樹社(共著)、「丹田を創る呼吸法」BABジャパン、「丹田を創って『腹の人』になる」小学館、「藤田霊斎 丹田呼吸法」佼成出版社

【養根塾】
◇会場: 高輪アンナ会館
東京都港区高輪2-1-13
都営浅草線 泉岳寺駅A2口徒歩5分
◇日時:毎週火 1:00~3:00PM
◇会費:1000円/1回
自由ヶ丘教室 第2・4金 10:30AM
若葉教室 毎週金 6:00PMも併設
お問合せ 090-5405-4763 鈴木
Eメール
mitsuya@wf7.so-net.ne.jp

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